協働ロボットがわかる・見つかる「Cobopedia」 » 協働ロボットの基礎知識 » 協働ロボットと産業用ロボットの違い

協働ロボットと産業用ロボットの違い

目次

このページでは、協働ロボットと産業用ロボットの違いについて、あらゆる角度から解説します。

これまでの産業用ロボットとはどう違う?

これまで製造現場で活躍していた産業用ロボットは、製造工程の自動化のために人が行っていた重労働や危険な作業をロボットに任せる形で導入されてきました。

一方、協働ロボットは生産効率化のため「人とロボットが一緒に作業をする」ことを前提としています。そのため、協働ロボットは人のすぐ近くで作業を行います。従来の産業用ロボットには安全柵が必要なのに対し、リスクアセスメントが実施された協働ロボットには安全柵が不要です。

かかるコストの違い

産業用ロボットも協働ロボットも、導入に高額な費用がかかることに違いはありません。しかし、導入後の柔軟性で考えれば、協働ロボットで高い費用対効果を期待できます。

たとえば、ロボットにこれまでとは異なる製品を生産させたい場合、製造工程におけるレイアウト変更が必要です。産業用ロボットでは多額のコストと時間がかかりますが、協働ロボットはレイアウト変更が容易なため、最低限のコストでスムーズに対応できます。

安全性の違い

産業用ロボットには安全柵が必要であるのに対し、協働ロボットには安全柵の設置は不要です。これには協働ロボットが比較的小型であるということのほか、安全機能が組み込まれているという理由があります。協働ロボットはISO10218-2, TS15066において、「安全適合の監視停止」「ハンドガイド」「速度及び間隔の監視」「動力及び力の制限」のうちいずれかを満たさないとなりません。

そのため事前のリスクアセスメントは必須ですが、協働ロボットは人と一緒に作業を行っても安全性が確保できるよう設計されているのです。

設置スペースやサイズの違い

産業用ロボットの設置には安全柵を含めた広いスペースが必要であり、基本的に一か所に固定して設置する必要があります。

一方、協働ロボットは小型かつ省スペース設計になっているため、さまざまな場所に設置可能です。既存レイアウトを変更しなくても設置できるうえ、必要な工程に移設することができます。そのため、設備の遊休化を避けられるというメリットもあります。

プログラミングや技術の違い

産業用ロボットの導入には専任のロボットエンジニアが必要です。外部へ発注するか、社内に常駐させるかを選択します。さらに産業用ロボットは、特定の用途向けにつくられていることが多いため、新たなプログラムの作成にはコストや時間がかかります。

一方、協働ロボットは専門知識がなくても直感的に操作できるものが多く、社内教育によるプログラミングの習得が可能です。再プログラムも簡単に行えるため、ロボットエンジニアを外部に発注する必要がありません。そのため、自社内で教育から実行までを対応できます。

人メインの作業補助なら協働ロボットがおすすめ

ロボットは人に代わって作業を行う優れた技術です。自社現場でロボットだけで作業をさせる場合は産業用ロボットの導入で問題ありませんが、「人と一緒に作業を行う」場合は協働ロボットがおすすめです。協働ロボットは細かな作業も得意としているため、さまざまな工程で役立つでしょう。

なお協働ロボットは、種類によって可搬重量や得意とする作業などが異なります。自社に合った協働ロボットを導入するため、性能や簡易性などの観点からじっくりと比較してみると良いでしょう。

現場で役立つ特徴や
信頼できる実績をもつ
協働ロボットメーカー4選