協働ロボットEXPO » 協働ロボットの基礎知識と選び方 » 協働ロボットと産業用ロボットの違い

協働ロボットと産業用ロボットの違い

これまでの産業用ロボットとはどう違う?

これまで製造現場で活躍していた産業用ロボットは、製造工程の自動化のために導入されてきました。人が行っていた重労働や危険な作業をロボットに任せる方式です。一方、協働ロボットは生産効率化のため「人とロボットが一緒に作業をする」ことを前提としています。

そのため、協働ロボットは人のすぐ近くで作業を行います。産業用ロボットには安全柵が必要なのに対し、小型で安全対策が講じられた協働ロボットには安全柵が不要です。

かかるコストの違い

産業用ロボットも協働ロボットも、導入に高額な費用がかかることに違いはありません。しかし、導入後の柔軟性で考えれば、協働ロボットは利便性が高いことがわかります。

たとえば、ロボットにこれまでとは異なる製品を生産させたい場合、工程のレイアウト変更が必要です。産業用ロボットでは多額のコストと時間がかかりますが、協働ロボットはレイアウト変更が容易。最低限のコストでスムーズに対応できます。

安全性の違い

産業用ロボットには安全柵が必要であるのに対し、協働ロボットには安全柵の設置は不要です。これには協働ロボットが比較的小型であるということのほか、安全機能が組み込まれているという点に理由があります。協働ロボットはISO/TS 15066において、「安全適合監視停止」「ハンドガイド」「速度及び間隔監視」「動力及び力の制限」のうちいずれかを満たさないとなりません。

そのため事前のリスクアセスメントは必須ですが、協働ロボットは人と一緒に作業を行っても安全性が確保できるよう設計されているのです。

設置スペースやサイズの違い

産業用ロボットの設置には安全柵を含めた広いスペースが必要であり、固定して設置しなければなりません。一方協働ロボットは小型かつ省スペース設計になっているため、さまざまな場所に設置可能。既存レイアウトを変更しなくても設置できるうえ、必要な工程に移設可能です。そのため、設備の遊休化を避けられるというメリットももっています。

プログラミングや技術の違い

産業用ロボットの導入には専任のロボットエンジニアが必要です。外部へ発注するか、社内に常駐させるかの方法を選択します。さらに産業用ロボットは特定の用途向けにつくられていることが多いため、新たなプログラムの作成にはコストや時間がかかります。

一方、協働ロボットは社内教育によるプログラミングの習得が可能。再プログラムも簡単に行えるため、ロボットエンジニアを外部に発注する必要がありません。そのため、自社内で教育から実行までを対応できます。

自動化対象の違い

特徴やメリットの異なる産業用ロボットと協働ロボット。産業用ロボットは「同一品種の大量生産」に向いています。重労働や危険な作業なども任せられるため、作業員に代わって作業を行うことが可能。

一方協働ロボットは「多品種の少量生産」の用途におすすめです。レイアウト変更や再プログラムが容易なため、さまざまな製品を作業員と協力しながら生産することができます。

それぞれが活用される業界

産業用ロボットは、「安全柵が必要」「重労働や危険な作業でも人に代わって行える」「同一品種・大量生産向け」という特徴から、自動車業界などでの導入に向いています。製造工程の全体を自動化する場合などにおすすめです。

協働ロボットは、「安全柵が不要」「人と一緒に作業を行える「プログラミングや再プログラムが容易」「多品種・少量生産向け」という特徴から、さまざまな業界で導入可能です。組立や梱包、検査、充填、研磨などの作業を行えるため、食品業界や半導体業界、教育機関、研究機関などで役立つでしょう。

人メインの作業補助なら協働ロボットがおすすめ

ロボットは人に代わって作業を行ってくれる優れた技術です。自社現場でロボットだけで作業をさせる場合は産業用ロボットの導入で問題ありませんが、「人と一緒に作業を行う」場合は協働ロボットがおすすめ。協働ロボットは細かな作業も得意としているため、さまざまな工程で役立つでしょう。

なお、協働ロボットには可搬重量や得意とする作業などが種類によって異なります。自社に合った協働ロボットを導入するため、性能や簡易性などの観点からじっくりと比較してみると良いでしょう。

COMPARISON
「性能」「シェア」「簡易性」
に優れた
協働ロボット3選
性能で選ぶ
可搬重量やリーチの幅が
広い
ハイスペックロボット
Doosan Robotics(ドゥーサンロボティクス)
Doosan Robotics

※引用元:Doosan Robotics公式HP(https://www.cobot-smx.jp/products/m0609.html)

  • 本体重量100kg以下で可搬重量25kg・リーチ長1700mmを実現
  • 「高性能」を120%使いこなす為の教育サポートを用意
  • 全軸センサー搭載+守備範囲の広いゾーン設定で安全対策を徹底

Doosan Robotics
公式HPを見る

シェアで選ぶ
デンマーク発!
世界
シェアNo.1の王道ロボット
ユニバーサルロボット
ユニバーサルロボット

※引用元:ユニバーサルロボット公式HP(https://www.universal-robots.com/ja/ユニバーサルロボットについて/ニュースセンター/ユニバーサルロボット-smc社の協働ロボット用真空グリッパユニットを-urplus製品として認証/)

  • 世界的なシェアを誇るトップランナー的存在
  • 製造から教育・研究機関まで豊富な導入事例
  • ドイツ技術検査協会の認証を受けた安全性

ユニバーサルロボットの
公式HPを見る

簡易性で選ぶ
設置・設定を楽にする世界初
カメラ内蔵型協働ロボット
Techman Robot(テックマンロボット)
Techman Robot

※引用元:Techman Robot公式HP(https://www.tm-robot.com/ja/heavy-payload/)

  • 「見た画像」をもとに動作・座標の設定が可能
  • カメラを活かした読み取り作業が得意
  • 体の部位を選択して安全ゾーンの設定完了

Techman Robotの
公式HPを見る

※選出基準(調査時期:2021年7月、編集チーム調べ)

「性能」:汎用性の高さを維持できる100kg以下の協働ロボットのうち、最大可搬重量・最大リーチ数を誇っている点。

「シェア」:世界シェアNo.1※1の協働ロボットである点。

「簡易性」:カメラ内蔵型協働ロボットを世界で初めて開発※2し、視覚による操作性を実現した協働ロボットである点。

※1参照元:ロボットによる社会変革推進会議2019年調査[PDF](https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/robot_shakaihenkaku/pdf/20190724_report_01.pdf

※2参照元:SSI公式HP(https://ssi-robot.co.jp/tm-robot/