大前提として、半導体製造で使用する協働ロボットはクリーンルームに対応しているものであることが重要であり、そういったロボットは多くありません。 このページでは、クリーンルームでの使用例や半導体製造業における活用事例をもつ協働ロボットメーカーをご紹介します。
半導体製造業向けのロボットは、稼働中にクリーンルームの環境を汚染しないことが何よりも重要です。
半導体の基板となるウエハーは非常に繊細。ロボットの潤滑油やグリースなどが飛び散ると、微小な量でも汚染に繋がってしまいます。ウエハーが露出している部分に接触するロボットは、クラス1(※)のクリーン度を維持できるものであることがロボットを選ぶうえでの必須条件です。クリーンルームに対応している協働ロボットは数が多くないので、必然的に選ぶべきロボットは絞れてくるでしょう。
高いクリーン度に対応できるほか、優れた精度を持ち、生産システムとの連携が行いやすいロボットである点も、選ぶうえでのポイント。ナノレベルで作業を行う半導体製造業では、高精度であることが求められるからです。
高性能半導体を製造しているオーストリアの会社で導入された事例です。ここで製造されている半導体用の高感度シリコンウェーハは髪の毛より薄く、極めて壊れやすい材料なことから、人の手で扱うことが不可能でした。
KUKA製のウェーハハンドリングロボットを17台導入したところ、ミリメートル単位の正確な作業により、シリコンウェーハのセットや各加工ステップへの搬送を実現。また、保護フェンスなしでも安全に作業を行なえるのが特徴で、半導体製造の効率化と安全性の向上に貢献しています。
KUKAの「KMR iiwa CR」は、モバイルクリーンルームロボット。CRは「クリーンルーム」の略で、ISO 14644-14に準拠しています。世界中の様々なWafer Fabで活躍しており、半導体製造業においては一目置かれる存在と言えるでしょう。
このロボットの特徴として、「バッテリー充電で中断することなく生産を続けられる」という点が挙げられます。充電ポイントの上で動作することで、24時間年中無休での生産が可能となりました。
半導体製造業における協働ロボットは、稼働中にクリーンルームの環境を汚染しないことが、もっとも優先すべき必須条件です。さらには、高精度で、従来の生産システムと連携しやすいロボットを選ぶと、半導体製造の大幅な効率化が期待できるでしょう。
工場の生産性向上を実現するためにも、ぜひ協働ロボットの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
協働ロボットは、自社に合ったものを選ぶことで、生産性の大幅な向上や省人化の実現が期待できます。そのためには、まず自社の課題や目的を明確にすることから始めましょう。 このサイトでは、自社にあった協働ロボットを選べるよう、メーカーの特徴、性能ごとにおすすめの協働ロボットをご紹介しています。課題や目的を明確にしたうえで、じっくりと比較してみてください。