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協働ロボット導入の流れ

目次

ここでは、協働ロボットの導入の流れについて解説しています。導入経路としてはどのようなパターンが考えられるのか、また導入を進めるためにどういったステップを踏めばよいのかなど紹介します。

協働ロボットの導入経路は2パターンある

Sier(システムインテグレータ)に依頼する

従来の産業用ロボットと同様に、工程全体の設計からシステムの構築を提供しているSIerに導入を依頼するパターンです。SIerはロボットの導入実績が豊富なので安心。また、現場の状況に合わせたライン設計や、システム構築・運用まで総合的なサポートを受けられる点もメリットです。

協働ロボットの導入をSIerへ依頼することは、必須ではありません。しかし、社内にシステム担当者がいなかったり、初めての導入で何から始めたらよいかわからなかったりする場合は、SIerは心強い味方になってくれます。

下記のページでは、SIerについて詳しく説明しています。ぜひ参考にしてみてください。

ロボットSIerとは

外部委託せず自前での導入を検討する

協働ロボットを自前で導入するという企業は少なくありません。大量生産のラインを担う産業用ロボットとは異なり、協働ロボットの多くはコンパクト設計で複雑なプログラミングなしでも稼働できるからです。

目的が明確で、部分的な省人化など大掛かりな導入でなければ、自前化を考えるのもよいでしょう。協働ロボットの設定は基本的に簡易的なプログラミングで済みますし、メーカー側が用意したマニュアルを参考にすれば社内で完結できます。

導入までの流れ

1.現状の課題やニーズの明確化

まず、何のために協働ロボットを導入するのかを明確にしておくことが必要です。そのためには、現場にどのような課題があるのか、どのようなニーズがあるのかを把握し、解決方法として協働ロボットの導入が適しているかを見極めます。

協働ロボットの導入ありきではなく、課題解決のための選択肢の一つという位置づけで慎重に検討することが重要です。導入目的をしっかり固めておけば、無駄な出費や失敗を回避できます。

2.対象箇所・作業領域の選定

作業ライン全体を入れ替えることなく部分導入が可能なことは、協働ロボットのメリットの一つです。協働ロボットをラインのどの箇所に導入し、人とロボットの作業領域をどう分担するのかを決定しましょう。

協働ロボットはその名の通り、人と同じスペースで作業を行います。協働ロボットを設置するなら、作業効率向上に目を向けることが重要。すべてを任せるのではなく、作業パートナーとしてどう働かせるかを考えます。

3.導入計画の立案

導入から運用開始までの計画を立てます。SIerに依頼する場合は、この段階で相談するとよいでしょう。導入の目的や作業領域の選定はできていますので、あとは専門家のアドバイスをもらい修正します。

自前で導入する場合は、プロジェクトチームを組んで担当者の役割も決めます。メーカーのサポートを受けられるのであれば、導入までの期間や費用などを確認し、スムーズに導入を進める準備をしておきましょう。

導入にかかる費用

協働ロボットの導入には、様々な費用がかかります。ロボット本体の価格はもちろん、架台やセンサーなどロボット関連装置費用、ベルトコンベア、安全柵など周辺設備機器費用、導入のコンサルを依頼するSIer費用など、総額は膨大になる可能性が。ロボットの導入に際しては、綿密なコスト計算が不可欠です。

次のページでは、導入にかかる費用について解説しています。どういった資金計画が必要か知りたい方は、ぜひお役立てください。

協働ロボットの導入に
かかる費用

4.ロボットの選定・設計

現場のニーズを満たす協働ロボットのメーカー・機種を選定します。ロボットの大きさや可動範囲、センサー、周辺機器などはメーカーにより異なりますので、どういった構成が適しているのかを踏まえ、ライン設計から行います。

また、この段階で事前検証を依頼することで、自社にあった協働ロボット選定をすることが可能となります。事前検証については以下でご紹介していますので、ぜひお役立てください。

協働ロボットの事前検証

SIer依頼の場合は、自社にあったロボットを提案してもらえるので、説明を聞き納得できれば設計を任せることができます。技術の詳細までわからなくとも、何を得意とする協働ロボットなのか確認しておくことは必要です。

5.安全性の確保・環境設定

導入の準備段階で、ロボットが作業する環境設定を行います。レイアウトや動線などを検討し、必要に応じて周辺機器も揃えます。協働ロボットは人と一緒に作業を行うため、トラブルや事故を防ぐための安全性の確保も重要。

ISOやJISでは、ロボットを安全に運用するための規格を定めています。監視・停止機能やロボットの速度などが規格に適合するか確認し、リスクの除去や低減するための方策を決めるリスクアセスメントの実施が必要です。

6.設置・テスト・運用開始

協働ロボットを設置し、ティーチングが完了したら稼働テストを行います。協働ロボットのティーチングは現場の状況に応じて変更が可能なので、担当者へのティーチング講習も行っておくとよいでしょう。

テストで問題がなければ本稼働となります。運用開始後は、定期的に運用効果を測定したり、効率アップのために運用方法を見直したりするなどメンテナンスが必要です。SIerへ依頼する場合は、運用についてのアドバイスも受けましょう。

以下のページでは、メンテナンスについてご紹介。実施タイミングや費用についても触れていますので、参考にしてみてください。

協働ロボットのメンテナンスを
詳しく知る

協働ロボットは目的に合わせて導入しよう

協働ロボットは、どれを選んでも同じではありません。メーカーによって得意分野も違いますし、現場のニーズに合わせてさまざまなタイプのロボットを提供しています。そのため選び方を間違えると十分な導入効果を得られないこともあります。

このサイトでは協働ロボットの特性別に、現場で役立つロボットを提供する注目メーカーを4つピックアップして紹介しています。

現場で役立つ特徴や
信頼できる実績をもつ
協働ロボットメーカー4選