このページでは、バリ取り・研磨作業における協働ロボットの活用事例や選び方などについて詳しく紹介しています。
協働ロボットによるバリ取り、研磨はロボットにツールを持たせた状態で、一定の力で押し付ける事で作業を行います。精緻な動作を実現するためには、①力の検知方法②使用するツールの検討が重要になってきます。
ロボットが力を検知する方法はロボットメーカーによって異なります。(a) モーターに内蔵されているトルクセンサーを用いて検出するパターンと (b)モーターに流れる電流値から、トルクへ疑似的に変換しているパターン(c)ロボットに3rdパーティー製の力を検知するツールを取り付けるパターンがあります。
ツールについては、研磨工具や回転ブラシなどを用いることが多く、期待する精度が実現できるか事前検証が必須な自動化テーマになります。
製品のバリ取りはなくてはならない作業ですが、手作業でのバリ取りは高精度ながらも時間がかかる点が課題。作業者の熟練度や体調によって、品質にばらつきが生じる可能性もあります。
また研磨作業は製品の表面を滑らかにする作業ですが、気を抜くとケガをする恐れがあるため、常に集中して行わなければいけません。
だからこそ協働ロボットを導入すべきですが、各ロボットの力検知の手法(精度)が異なる事から、求める加工精度によって選ぶべきメーカーは大きく変わると言えます。こればかりは実機を用いた検証が必須になるので、まずは問い合わせることをお勧めします。
加工精度の高さが求められるバリ取り・研磨の作業を協働ロボットで行うなら、力加減・検知の精度が重要になります。精度の高さを図る一つの指標として、協働ロボットに「力覚センサー」が用いられているかどうかはぜひ注目してほしいポイントです。
力覚センサーとは、物理的な力や圧力を検出し、それを電気信号に変換するセンサーです。このセンサーは、物体の重量、接触圧力、引っ張りや圧縮などの力を感知するのに使用されます。例えば、ロボットの手先に取り付けられた力覚センサーは、物体を掴む際の力加減を制御するのに役立ちます。これにより、ロボットが繊細な物体を扱う際の安全性や精度が大幅に向上します。
力覚センサーを備えているABB社の「GoFa」の事例を見てみましょう。バネの上に置いた板に波をなぞる動作を繰り返しています。鉛直下方向に対して常に指定した力をかけながら動作することで、ツール先端から板が浮くことなく表面をなぞることができています。指定している力は動作ごとに変更することができるため、どのような加工対象にも活用することができるでしょう。
このように、力覚センサーを使った自動化バリ取り・研磨作業は、製造業における生産性と品質の向上に大きく貢献します。ABB社を一つの例として、協働ロボットを選ぶ際には他メーカーがどのような力の加減・検知の方法を取り入れているか注目してみてください。
PARADIGM ELECTRONICSは、高性能ラウドスピーカーとサブウーファーのメーカーです。
予想を上回る台数の新しいキャビネット製品を生産することになりました。製造工程には、塗装された各層の間をサンドペーパーで磨く→バフ研磨→サンドペーパーで磨く→バフ研磨というプロセスがありますが、かなりの手作業が必要でした。
研磨作業を効率化するため、艶出し塗装の工程にユニバーサルロボットを導入。時間と労力がかかる研磨作業を自動化した結果、生産能力が50%向上。人気キャビネットの在庫不足も、無事に解決できたそうです。
Techman Robotの力制御によるアプリケーションの事例です。バリ取り作業や研磨作業の様子を紹介しています。手で圧力をかけると協働ロボットが逃げていく様子から、しっかりと力覚センサーが働いていることがうかがえます。
バリ取りや研磨作業を行える協働ロボットは数多くありますが、メーカーによって特徴が異なりますので、それらの特徴をしっかりと理解しておきましょう。
協働ロボットは、自社に合ったものを選ぶことで生産性の大幅な向上や省人化の実現が期待できます。そのためには、まず自社の課題や目的を明確にすることから始めましょう。
このサイトでは、自社にあった協働ロボットを選べるよう、メーカーの特徴、性能ごとにおすすめの協働ロボットをご紹介しています。課題や目的を明確にしたうえで、じっくりと比較してみてください。