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スカラ協働ロボットを
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このページでは、水平多関節ロボットとも呼ばれる「スカラロボット」について解説します。概要や特徴をはじめ、実際に導入されている事例なども紹介していきますので、ぜひ導入時の参考にしてみてください。

スカラロボットとは?

生産現場のライン作業などで、人間の単純作業の置き換えやすいロボットとして「スカラロボット」が注目されています。

スカラロボットは「水平多関節ロボット」とも呼ばれており、水平一方向から流れてくる動作に特化したロボットです。

「垂直多関節ロボット」のように、複雑な方向を交える動作はできませんが、単純で制御も容易です。

一方向とはいえ、目標物の真上で回転軸を交える動作ができるため、「高速で高精度な動作ができる」というメリットもあります。

スカラロボットの動作原理

スカラロボットの軸数は4軸が一般的で、アームが水平方向に旋回する動作と先端部分が垂直方向に上下する動作を基本としています。先端部分が垂直方向に上下するスカラロボットならではの動作を生かし、プリント基板への電子部品の実装などに用いられています。

スカラロボットの導入によってさまざまな工程を自動化できますが、人間のように作業するにはロボットに対するワークの位置決めが重要です。ロボットは作業に適した位置にワークがあることを前提として動作するため、ただ導入するだけでは位置ズレに対処できません。加工精度にも影響するので、ワークの位置決めが重要になってくるのです。

スカラロボットに対するワークの位置決めとしては、「ワークに設けた加工基準穴と設備側のピンをはめる」「カメラによる位置補正を利用する」などがあげられます。カメラによる位置補正は費用がかかりますが、ワークの外形を利用した位置決めができない場合に有効な手段です。

どんな場合に
スカラロボットを
使用するか

垂直軸に沿って作業を行う「スカラロボット」は、生産ラインにおける簡単な組立作業や搬送作業で主に導入されています。

また、柔軟かつ高速な作業が可能なため、繰り返し作業にも優れた性能を発揮しやすいです。

ロボット先端に多様なユニットを取り付けることもできるため、部品のピックアップや移動、ネジ締め、接着剤の塗布といった作業も行えます。

同様の作業では、より汎用性の高い協働ロボットも便利です。このウェブサイトでは、協働ロボットのメーカーごとにスペック表をまとめているため、ぜひそちらもチェックしてみてください。

「性能」「シェア」「簡易性」に
優れた協働ロボットを選ぶ

スカラ協働ロボット2選

省小精技術を結集した高速・高精度GXシリーズ

「GXシリーズ」

※参照元:エプソン公式HP(https://www.epson.jp/products/robots/lineup/scara/gx/)

高速・高精度モデルGXシリーズは、ジャイロプラステクノロジー搭載モデルです。ジャイロプラステクノロジーは、エプソンの省小精の技術を結集した超小型ジャイロセンターで、高速、高精度を誇るサーボ制御を実現しています。高速化機能のブーストモード、バッテリーレスでモーターユニットバッテリーの交換時間やコスト削減が期待できる機能を備えているのです。

本物の高速性を提供するHSR-048/055/065

「HSR-048/055/065」

※参照元:デンソーウェーブ公式HP(https://www.denso-wave.com/ja/robot/product/four/hsr.html)

HSR-048/055/065は「早く動き始める」「動き続ける」「正確に止まる」を実現しています。カタログ値では読み取れない動作の基本性能を追求し、本物の高速性をHSRシリーズで提供。小型のため場所を取らず、対応できる作業も、部品の組み立てから、食品や医薬品や化粧品のパッケージの高速ピッキングまで可能です。長時間の連続稼働にも耐え、動的制御で短時間の制振によるサイクルタイムを短縮できます。

スカラロボットの導入事例

部品の組み立て工程で
生産性を向上

高速な稼働性能がある「スカラロボット」は、人間が行う数倍の生産能力を発揮できます。

実際に、ある自動車部品の組み立て工程に導入されたスカラロボットは、人間が行う1分あたり30台という生産性を、1分あたり60台まで向上させています。

駆体もコンパクトで役立ち、作業員が同じスペースで作業を行うことができています。

参照元:日本サポートシステム株式会社(https://jss1.jp/column/column_89/

高度な位置決め精度で
微細部品を扱う

およそ±0.01mmという高い位置決め精度を誇る「スカラロボット」は、人間の手作業では不可能である、微細な部品の組み付け工程や接着剤などの塗布工程にも導入されています。

実際に、基板生産の現場でも導入されたスカラロボットは、高精度な材料の塗布工程を実現させており、ロボットの存在が不可欠となっているのです。

参照元:日本サポートシステム株式会社(https://jss1.jp/column/column_89/

低い導入コストで
生産原価を抑える

水平一方向から流れてくる動作に特化しているため、導入コストも比較的抑えられる「スカラロボット」は、生産原価を削減することにも役立てられています。

設置費用などを除けば、おおよそ100万円程度で導入できるとされるスカラロボットは、原価回収もそれほど難しくないでしょう。人間はより本質的な業務を行えるようになります。

参照元:日本サポートシステム株式会社(https://jss1.jp/column/column_89/

協働ロボットの導入事例を
もっと見る

COMPARISON
「性能」「シェア」「簡易性」
に優れた
協働ロボット3選
性能で選ぶ
可搬重量やリーチの幅が
広い
ハイスペックロボット
Doosan Robotics(ドゥーサンロボティクス)
Doosan Robotics

※引用元:Doosan Robotics公式HP(https://www.cobot-smx.jp/products/m0609.html)

  • 本体重量100kg以下で可搬重量25kg・リーチ長1700mmを実現
  • 「高性能」を120%使いこなす為の教育サポートを用意
  • 全軸センサー搭載+守備範囲の広いゾーン設定で安全対策を徹底

Doosan Robotics
公式HPを見る

シェアで選ぶ
デンマーク発!
世界
シェアNo.1の王道ロボット
ユニバーサルロボット
ユニバーサルロボット

※引用元:ユニバーサルロボット公式HP(https://www.universal-robots.com/ja/ユニバーサルロボットについて/ニュースセンター/ユニバーサルロボット-smc社の協働ロボット用真空グリッパユニットを-urplus製品として認証/)

  • 世界的なシェアを誇るトップランナー的存在
  • 製造から教育・研究機関まで豊富な導入事例
  • ドイツ技術検査協会の認証を受けた安全性

ユニバーサルロボットの
公式HPを見る

簡易性で選ぶ
設置・設定を楽にする世界初
カメラ内蔵型協働ロボット
Techman Robot(テックマンロボット)
Techman Robot

※引用元:Techman Robot公式HP(https://www.tm-robot.com/ja/heavy-payload/)

  • 「見た画像」をもとに動作・座標の設定が可能
  • カメラを活かした読み取り作業が得意
  • 体の部位を選択して安全ゾーンの設定完了

Techman Robotの
公式HPを見る

※選出基準(調査時期:2021年7月、編集チーム調べ)

「性能」:汎用性の高さを維持できる100kg以下の協働ロボットのうち、最大可搬重量・最大リーチ数を誇っている点。

「シェア」:世界シェアNo.1※1の協働ロボットである点。

「簡易性」:カメラ内蔵型協働ロボットを世界で初めて開発※2し、視覚による操作性を実現した協働ロボットである点。

※1参照元:ロボットによる社会変革推進会議2019年調査[PDF](https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/robot_shakaihenkaku/pdf/20190724_report_01.pdf

※2参照元:SSI公式HP(https://ssi-robot.co.jp/tm-robot/