超高齢化を迎えた日本では、介護施設の必要性が高まっている一方、現場では人材不足や職員の腰痛といった課題に直面しています。職員の負担軽減につながる解決策として注目されているのが、協働ロボットの活用です。
ここでは、各メーカーの協働ロボットの事例や介護施設での協働ロボットの活用例などについて紹介します。
※引用元:YouTube(https://www.youtube.com/watch?v=-H69kgssm8c)
パナソニックは、ベッドからの起立と歩行を支援する「自立支援型起立歩行アシストロボット」を開発。胸元に設けられたセンサーが高齢者の起立・着座・静止(衣服着脱時)などの動作を検知し、トイレへの移動や移乗、排泄時などの自立的動作を介護者に代わって支援するのが特徴です。小型・軽量かつ吊り具の着脱もスムーズに行えるため、急な使用にも対応できるとのこと。今後の実用化によって、介護者の負担軽減への貢献が期待されています。
※引用元:YouTube(https://www.youtube.com/watch?v=lHLAALm5Odc)
リーフ株式会社の歩行リハビリテーション支援ツールTreeは、リハビリテーション現場の声から生まれたロボットです。歩行練習やバランス練習が必要になった方向けの支援ロボットで、利用者の状態に応じて練習レベルや負荷量の調整ができ、歩行練習の効率アップを実現。直感的に操作できる使い勝手の良さに加え、高い姿勢安定性を確保でき、セラピストの介助負荷の軽減も叶えています。歩行練習の効率アップによって、リハビリの早い時期から片手歩行練習に移行できるのもポイントです。
厚生労働省・経済産業省は「ロボット技術の介護利用における重点分野」として6分野13項目定めており、その開発・導入の支援に取り組んでいます。重点分野として定められているのは以下の通りです。
※参照元:厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/2_3.pdf[pdf]
介護施設で活用されているロボットの導入例としては、介護職員の腰に負担をかけずに介助できる移乗支援ロボットや車椅子に乗せたまま階段を昇り降りできる移動支援ロボット、見守りセンサーなど。また、認知症ケアやコミュニケーション支援の取り組みの1つとして、赤ちゃん型や人型のコミュニケーションロボットを導入している施設もあり、介護現場のいたる場面で介護ロボットが活用されています。
現場に合った介護ロボットを選ぶには、まず現場が抱えている課題を明確にし、そのうえで課題解決につながるロボットを選定することが重要です。また、デモや体験会に参加して、実際に使い勝手を確認するのもおすすめ。候補を選定したら各メーカーに見積依頼をして、費用対効果の高い製品を検討していきます。
介護ロボットは介護職員や利用者に使うものだからこそ、安全性も重要です。介護・福祉の分野で利用される生活支援ロボットに対して日本発の国際安全規格「ISO13482」が2014年2月1日に発行されているため、介護ロボットを検討する際はISO13482を取得しているかにも注目すると良いでしょう。
人手不足に悩む介護施設において、職員の負担軽減につながる協働ロボットの存在は、今後ますます必要性が高まってくるものと思われます。各メーカーも介護分野のロボット開発に積極的に取り組んでいるほか、国も補助金・助成金事業を通して導入を支援しているため、介護ロボットの導入について施設で話し合ってみてはいかがでしょうか。
※引用元:Doosan Robotics公式HP(https://www.cobot-smx.jp/products/m0609.html)
※引用元:ユニバーサルロボット公式HP(https://www.universal-robots.com/ja/ユニバーサルロボットについて/ニュースセンター/ユニバーサルロボット-smc社の協働ロボット用真空グリッパユニットを-urplus製品として認証/)
※引用元:Techman Robot公式HP(https://www.tm-robot.com/ja/heavy-payload/)
※選出基準(調査時期:2021年7月、編集チーム調べ)
「性能」:汎用性の高さを維持できる100kg以下の協働ロボットのうち、最大可搬重量・最大リーチ数を誇っている点。
「シェア」:世界シェアNo.1※1の協働ロボットである点。
「簡易性」:カメラ内蔵型協働ロボットを世界で初めて開発※2し、視覚による操作性を実現した協働ロボットである点。
※1参照元:ロボットによる社会変革推進会議2019年調査[PDF](https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/robot_shakaihenkaku/pdf/20190724_report_01.pdf)
※2参照元:SSI公式HP(https://ssi-robot.co.jp/tm-robot/)